３　商社から総合メーカーへ

　トルクアクチュエータ（TA）の専門商社という立ち位置をいち早く脱し、様々な装置の企画・設計に乗り出したシー・オー・シーでしたが、製品の組立や検査、整備などの工程については依然、外部のメーカーへの委託を続けていました。
　しかし、納品する製品が増えるにつれ、「アフターメンテナンスも自社で責任を持って対応すべき」との考えから、平成12（2000）年に佐賀県基山町に自社工場を建設。油圧式駆動ボール弁や電動油圧式駆動ボール弁をはじめとする製品の組立・検査・整備業務を開始し、新たな一歩を踏み出したのです。
　その後も艦艇向けを中心に受注が続くなど事業は堅調に推移しましたが、やがて需要増に伴う製品保管場所の不足が現実味を帯びてきました。さらに景気低迷のあおりを受けて、バルブ（弁）の製造を委託していたメーカーの経営破綻や事業撤退が相次ぎ、三菱重工もTAの製造から撤退することを表明したことから、TAやバルブの内製化も避けて通れない問題となってきました。そこで、基山工場を大幅に拡張の上、設備を増設し、生産体制の整備を進めることにしました。
　基山工場の隣接地を購入し、その敷地に製品の保管倉庫として第二工場を、製品加工を行う第三工場を新設しました。平成24年に増設は完了。これによって設計から製造（加工・組立）、検査、出荷、整備まで一貫して行う体制が構築され、名実共に「ＴＡを中心とした機械装置メーカー」としての地位を不動のものとしたのです。